松虫寺の文化財

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七仏薬師瑠璃光如来(国重文)
昭和34年6月27日指定

坐像の中尊を中心に、脇に小さな立像が3躯ずつ左右に並ぶ形式で、平安時代初期に中央から地方に広まった、いわゆる七仏薬師と考えられる。いずれもカヤ材の一木造で、像高は、中尊坐像が54.3㎝、立像はいずれも38㎝の小像群である。

 中尊と立像は、着衣の形において違いがあること以外は、作風や顔の形などはまったく同じであり、同一仏師による一具のものとして、平安時代末期に造像されたと考えられる。

 

 普通は、七仏が光背に取り付けられたり、描かれたりする場合が多く、松虫寺のこの像のように坐像と立像の組み合わせの例は他に知られていない。古い様式の七仏薬師は全国的にみても珍しく、この松虫寺と滋賀県の鶏足寺だけである。